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●カウンセラーのつぶやき●  ~11月は「過労死等防止啓発月間」です~

朝夕の頬に当たる空気が冷たくなってきました。あっという間に今年も、もう2ヶ月となりました。
さて、11月は、「過労死等防止啓発月間」です。過労死等をなくすためにシンポジウムやキャンペーンなどの取組が
行われます。この11月は、「過労死等防止対策推進法」に基づいて過労死等を防止することの重要性について、働く
ものが自身の働き方を自覚し、自分の健康管理への関心と理解を深めるように毎年11月に実施されます。
この11月は、啓発を目的に、各都道府県において「過労死等防止対策推進シンポジウム」や、「過重労働解消キャン
ペーン」として、著しい過重労働や悪質な賃金不払残業などの撲滅に向けた重点的な監督指導や、一般の 方からの
労働に関する相談を無料で受け付ける「過重労働解消相談ダイヤル」などが行われます。
過労死とは、2002年にローマ字の「karōshi(カロウシ)」という文言が英語でも通用するようになりました。
「過労死等」とは、業務における過重な負荷による脳血管疾患もしくは心臓疾患を原因とする死亡、もしくは業務
における強い心理的負荷による精神障害を原因とする自殺による死亡またはこれらの脳血管疾患、心臓疾患、精神
障害をいいます。
では、一体どれだけの時間働くと、過労死を引き起こす危険性があるのでしょうか?
過労死が労災認定される基準から、過労死を引き起こす高い蓋然性があると認められる危険性の高い状況と言われ
ているのは、脳血管疾患・心臓疾患のケースだと、脳血管疾患・心臓疾患を発症する前の2〜6ヶ月の間の残業時間
が平均して80時間以上、または、1ヶ月の残業時間が100時間以上だと、発症してしまった場合には残業と発症
との関連性が強いと認められる可能性が高くなっています。
そこで、主に注意しなければならない前兆を改めて確認しておきましょう。


1)脳血管疾患においては(参考:国立循環器病研究センター病院)
• 片方の手足・顔半分の麻痺・しびれ
• ろれつが回らない
• 他人の言葉が理解できない
• 立てない、歩けない
• 片方の目が見えない、ものが2つに見える、視野の半分が欠ける
• 激しい頭痛に襲われる

2)心臓疾患(参考:日本心臓財団)
• 軽い運動でも息切れがしやすくなる
• むくみにより体重が増加する
• 食欲が出なくなる
• 呼吸が苦しくて夜も眠れなくなる

3)精神障害
• イライラしやすくなる
• 疲れているはずなのに眠れない
• 朝ベッドから起き上がれない
• 何をするにもやる気が出ない
• 何をやっても楽しくない、好きなことがわからない

このような状態に陥らないように、過労死を防止するための数値目標が出されています。

「過労死等防止のための対策に関する大綱」の数値目標

①長時間労働の削減
 ・週労働時間60時間以上の雇用者の割合を5%以下
②勤務間インターバル制度(30人以上の企業)
 ・制度を知らない企業の割合を20%未満
 ・制度導入企業の割合を10%以上
③年次有給休暇の取得率
 ・取得率を70%以上
④メンタルヘルス対策
 ・対策に取り組む事業場の割合を80%以上
⑤相談先の整備
 ・仕事上の不安、悩み、ストレスについて、職場に相談先がある労働者の割合を90%以上
⑥ストレスチェックの活用
  ・ストレスチェック結果を集団分析して活用した事業場の割合を60%以上

上記のような数値目標が掲げられています。

これを機会にもう一度、自分自身の職場を振り返ってみてください。

 

産業カウンセラー
  大槻 久美子

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