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●カウンセラーのつぶやき● ~ハラスメント事例 Z世代はタイパ重視~

4月が目の前にくるこの時期。上司世代から相談が多くなるのが「世代間ギャップ」いわゆる「Z世代との付き合い方」です。

先日、ある会社の営業部で働くCさんから相談がありました。「先輩のFさんは、マウントをとってきます。これは、いじめです。」との告発がありました。「先輩がマウントを取る」ということに違和感を覚えながらその時の状況などを確認しました。すると、「仕事のやり方を確認してくる」ということが「マウントを取る」ということにつながっていました。その先輩であるFさんにも確認すると「本当に分かってやっていることかどうか確認したかった。」
というのです。Fさんは、自分が教えた責任としてその業務を行う意味を分かってほしかったようです。Cさんは、どちらかというと結果が合っていればいいといった感じで業務をこなしているように見えたので質問したということでした。しかし、Cさんは結果が合っていればいいとは思っていませんでした。自分なりに確認して業務を行っていました。ただ、確認されたということに「タイパが悪い」と思ったようです。そして、実は、教えてもらったことを自分なりに調査し検討もしていたようです。そうしたことをお互いが伝えられないというコミュニケーション障害が起こっていたのでした。ただ、どちらからというと、Cさんの方が「タイパが悪い」ようにも思う出来事でした。

最近では「コスパ」や「タイパ」という言葉よく耳にするようになりました。
コスパとは、コストパフォーマンスの略で価格に対する効果を表します。
タイパとは、タイムパフォーマンスの略で費やした時間に対する効果や満足度を表します。
特にZ世代は、コスパよりタイパを重視すると言われています。
生まれた時からインターネットなどを通じ多くの情報に囲まれながら自分にとって必要な情報収集は当たり前のようにこなしてきています。自分が気になったことは、すぐに調査することが可能です。そして、彼らは、より少ない時間でより多くの情報収集をするためにデジタル技術を活用します。よって、だれよりも時間対効果の「タイパ」を意識しているといえます。こうして限られた時間内で調査することも当たり前とされる中で、あえて再度確認することは、どこか自分を信じてもらえてないというさみしい気持ちになってしまったようです。そんなさみしい気持ちを素直に出すことができずにいるのもZ世代の特徴といえるでしょう。タイパは、限られた時間内で最大の成果を出すことを目的とした考え方であるため時間の使い方によってはストレスを感じたり、効果的な成果を出せなかったりすることもあり、タイパ重視のZ世代のもろさのように感じます。

公認心理師・産業カウンセラー
    大槻 久美子

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