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●カウンセラーのつぶやき● ~若者と良好な関係を築くには~

寒暖の差はあるものの、日中の日差しは、暖かくなってきました。
この時期がくると、やはり多く寄せられる相談内容は「今どきの若者」の話です。
「何を考えているのか分からない」
「教えていても伝わっているのかどうか反応がない」
「コミュニケーションがとれないわけでもないけど、なんとなく薄っぺらさを感じる」
など、今どきの若手職員とのコミュニケーションや関係構築に苦労している上司・先輩職員が増えています。それだけでなく、コミュニケーションがうまくいかないことからハラスメントの事案に発展することさえ珍しくありません。

どうすれば、今時の若者と良好な関係を築くことができるのでしょうか?
そのポイントを見ていきたいと思います。
特に多く聞こえてくるのが「いまどきの若手社員の未熟さ」です。
とりわけ、コミュニケーションについては、多くの相談があります。どうしても、教えたことが伝わらなかったり、何度注意しても同じ間違いをするなど、上司や先輩が手を焼いているというのです。ここ数年はコロナ禍の影響で、大学(高校)生活の大半がオンラインに代替され、リアルなコミュニケーションの機会が少なかったことが、その原因かもしれません。大学関係者に話を聞いてみると「社会性の未熟さ」というところが多く影響しているように思えます。

どのような原因であれ、教えたことが伝わらないなど職場では、大きな問題です。特に医療機関や福祉機関では、この問題を放置しておくと、組織としての業績の低下や、若手社員の休職や離職者の増大と、二次的な問題の発生につながりかねないからです。

最近の若者の傾向としては「おとなしい」ということが一番にあげられます。この「おとなしさ」は、積極性や消極性とは少し違っているように感じます。なぜなら、自分の好きなことには、とても積極的だし、嫌なことには消極的です。では「おとなしさ」はどこから出てくるのでしょうか?これは、以前より言われている「自己肯定感」の低さの影響が大きいと感じています。自分のことを「これでいいんだ」と思うことが出来ずにいると他者から「できているよ」と認められていても素直に受け止めらません。最近では、自分の好き・嫌いが明確で、突出していることも特徴です。特に好きなものの世界とだけ繋がっており、他の社会や世界とつながろうとしないことから、他者の考えなどに触れる機会が少なくなり社会性が薄くなっているように感じています。

そこで、このような今時の若者と良好な関係を築くには、以下の3つを意識してみてはいかがでしょうか?

ポイント①
まずは、こまめに声をかける、名前を呼ぶ、目を見て挨拶する、相手の変化に気づく、頼りにする、感謝のことばをかける、等々の行為から相手の存在をしっかり承認することです。人は、老若男女関わらず、こまめに承認し続けることで自己肯定感やモチベーションが高まり、承認してくれる人に対して少しずつ心を開いていくでしょう。

ポイント②
次に、相手の考えを整理したり、視座・視野・視点の転嫁を促がしたり、主体性を引き出すための積極的な問いかけです。その問いかけは、YesやNoで答えを出せるような簡単なものから問いかけてみます。そして、問いかけは、尋問にならないように行うことです。どうしても「なぜ」を使いたくなってしまうのですが「なぜなぜ」の問いかけは、詰めよられ尋問を受けているように感じやすくなります。そう感じると問いかけられることに恐怖心を抱き、その後の関係性が悪くなるだけ
になってしまうので気を付けましょう。そういったことに気をつけながら、積極的な問いを行えば、相手からの言葉も少しずつ増えてくるでしょう。

ポイント③
最後は、相手からの言葉にしっかりと耳を傾けることです。聴き方で気をつけないといけないのは、何かしながらの「ながら聞き」です。「アイコンタクト」や「リアクション」を返しながら相手の言葉をしっかり受け止めてください。

この3つの対策を少し意識するだけで若者と良好な関係を築くことができます。
この3つの対策は、若者だけに限らないのもお気づきかと思います。
今一度、自分の相手に対しての対応を見直してみて、相手との良好な関係を作って行きましょう。

公認心理師・産業カウンセラー
    大槻 久美子

2024年4月
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