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●カウンセラーのつぶやき● ~パワハラ相談事例より~ 職場のエンゲージメントとは?

この前まで日中は、汗ばむような陽気でしたが、突然の冬到来に皆さん体調を崩されていませんか?
少しずつですが、インフルエンザなども流行ってきている様子です。このような気候の変動が激しくなると心身ともに疲労も蓄積されやすくなり、気象由来の不調を感じてこなかった人でも、体調不良が起こりやすくなります。特に頭痛や胃痛などが多く見受けられるようです。
さて、そんな季節変動の激しい気候も相まってでしょうか、最近ハラスメントの相談も多くなってきました。

ある職場の女性社員Sさん(女性38歳)から泣きながら連絡が入りました。
聞いてみると上司A部長さん(女性49歳)から暴言に近い口調で長時間の指導を受けたというのです。よく聞いてみるとSさんは、12月で退職する先輩のBさん(女性42歳)に対してお世話になったので、送別会を他の女性職員5名に提案しました。するとその中のCさん(女性40歳)が「送別会の時に記念品のようなものも渡したらいいのでは?」と提案があったのでSさんは、5名の女性に再度、送別会と送別の記念品を渡すことを提案したメールを送りました。すると、そのことを知った別の職員にも話が回り「自分達もお世話になったから参加させてほしい」ということで総勢10名の有志が集まりました。

そのことを知ったA部長がいきなりSさんを会議室に呼びつけ
「こんな時期に10人も集めて飲み会などとはどういうことか?」
「退職する人にいちいち送別会だの記念品だのしていたらきりがないので、そもそもそんなことは、やめるべきだ」
と2時間近くにおよびA部長の叱責を受けることになりました。
Sさんとしては、A部長も日ごろから「職場のエンゲージメントが大切」と再三、会議などで話をしていたためそこまで怒られるとは思っておらず、「送別会がダメなら記念品だけでも」と伝えると「私に口答えしてくる」となってしまいました。そうなると、何を話しても通じない状態から早く逃れたいと思ったSさんは「わかりました全てやめます」と言って終了したようです。ただ、Sさんは、本当にお世話になった先輩なので残念な気持ちと、A部長からこれまで聞かされてきた内容と現状の違いにとても憤りを感じてしまいました。そして、どうしようもない気持ちになってしまったようです。
さて、皆さんならこの事例どのように思われるでしょうか?ハラスメントになるでしょうか?

まずは、2時間という長時間での1対1での叱責は、優位性もあり、精神的にも追い詰めることからハラスメントになります。ただ、A部長からすると、インフルエンザなどが流行しかかっているこの時期に10人が集まっての飲み会で参加者の皆が感染したらと、その後の業務のことが心配になるのは理解できます。退職する人に対して感謝の意味を持って行う送別会をやめさせるというのは、Sさんやその他の方の気持ちを理解していないということになり、少し行き過ぎた行為かもしれません。特に職場のエンゲージメントを考えるのであれば、このような送別会なども一つの大切な場だと考えます。

職場のエンゲージメントとは、企業活動において、顧客の注意や興味を引きつけながら企業と顧客のつながりを強固なものにするといった意味や、職員の会社に対する「愛着」「思い入れ」など職員と職場の絆としての意味として使われています。(ひまわり通信 第86回)コロナ禍で減ってしまった職員の集まりなど少しずつ戻していくことは悪いことではありません。これからが、本当の意味でいきいきと働き続けられる強い職場を作るために職場が変化していく時期になるのでは
ないでしょうか。

今回は、Sさんの気持ちも汲み取りながら、送別会は当初考えていた5名とし、記念品を他の職員も含めた10名で行うことになりました。退職される先輩に対して感謝する送別会は、大切な気持ちです。ただ、職場の安全を考えるのであれば、人数を制限して行うのが今の流れなのかもしれません。12月に入ると忘年会も4年ぶりとなる職場も多いと思います。感染予防は、しっかりと行い、そして、この一年をしっかり労う繋がりを持つことが職場のエンゲージメントを少しでも高めるものになればと願います。

公認心理師・産業カウンセラー
    大槻 久美子

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