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■事例検討集■~パワーハラスメントが職場と職員にどのような損害をもたらすのか?~ ①健康被害

 

今回から、『パワーハラスメントが職場と職員にどのような損害をもたらすのか?』というテーマで現状から今後の対応などお伝えしたいと思います。

パワーハラスメントは、「職場と職員にどんな損害をもたらすでしょうか?」改めて考えてみたいと思います。色々なところで講演や研修、アンケートなどをさせていただく中でハラスメントによる職場への4つの影響が見えてきました。
①健康被害
②職場の弱体化
③生産性の低下
④社会的信用の低下
の4つの「低下」と考えます。特に①の健康被害と②職場の弱体化は、とても関係が深く「職場が組織として機能しなくなってしまう=職員にとっても働きやすい職場ではなくなる」ということに繋がります。そうなれば、離職率も高くなってきます。特に良い人材ほど離職してしまう傾向が強くなります。まずは、しっかりパワハラにおけるリスクマネジメントとしてどのような「損害=リスク」があるのかを考えましょう。

①健康被害
パワハラを受けた被害者は、メンタルヘルスの悪化から「うつ病」や「パニック障害」そして、職場に対しての「適応障害」など多くのメンタル不全を発病しやすくなってしまいます。そこで、注目したいのが、精神障害と認定された労災保険適用件数です。
下図は、厚労省が発表している『精神障害等の労災補償状況』をグラフにしてみました。
(資料:精神障害に関する事案の労災補償状況より)

すると、2018年度(平成30年度)には、労災保険適応の件数は、465件でした。請求事由から「ハラスメント」に当該するものを見てみると、「セクシュアルハラスメント」が33件、「パワーハラスメント事項」が97件でした。そして、「ハラスメント」としての合計は130件となり、全体の28%となっています。

現時点で厚労省から出されている精神障害の労災認定件数の資料では、「セクシュアルハラスメント」という項目はありますが、「パワーハラスメント」という項目はありません。なぜなら、「セクシャルハラスメント」は、法律化されていますが、「パワーハラスメント」に関しては、法律的な根拠がありません。そこで、精神障害の労災認定件数の請求事由の項目としてある、「ひどいいじめ・嫌がらせ」「違法行為の強要」「達成困難なノルマ」「退職の強要」「上司とのトラブル」「非正規社員という理由での差別」の6項目をパワーハラスメントの項目として挙げて見ました。するととても残念なことなのですが、労災適用の精神障害の約3割がハラスメントによって起きていることになるのです。

この結果を皆さんは、どのように考えられるでしょうか?
「そうだろう」、「やっぱり」、「知っていた」という人もいれば、「そんなに多いのか」と改めて数字をみることで感じていただけるかもしれません。単純に「健康被害」は、この事象だけに留まらないのです。「健康被害」がもたらすリスクが「職場風土」を作り上げるということにもなりかねません。まず、この事実と今の自分の職場を見ていただき「自分の職場はどうなのか?」まずは、現状を理解して自身の職場と比較しながら考えてみてください。

次回は、②「職場の弱体化」を事例とともにみていきたいと思います。

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