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●大槻カウンセラーのつぶやき●働く女性の更年期への理解

吹く風も次第に夏めいて、じめっと蒸し暑い空気を肌で感じ、いよいよ長雨の季節がやってきたようです。

さて、今回は「働く女性の更年期」についてお伝えしていきます。

男女雇用機会均等法により女性の社会進出が掲げられた1986年。あれから早30年が経過しました。
当時、社会に出た女性たちは、現在40代~50代で組織の中でご活躍されている方も多数いる事でしょう。
その中でも、重要なポジションについていたり、部下を何人も抱えていらっしゃる方もおられるのではないでしょうか。

平成28年4月1日には女性活躍推進法も施行され、ますます女性活躍の場が広がっているといえるでしょう。

働く女性たちが増え、働きながらの妊娠・出産・育児に対する理解は広まってきていますが、更年期への理解というと皆さんはどのように感じられるでしょうか。

女性の社会進出、活躍の推進によって定年まで勤め上げる女性も多くなっています。
しかしながら40代後半~50代といった働き盛りの時期に、心身の不調に悩まされる人も少なくありません。

このような症状で更年期を自覚する働く女性が増えてきているそうです。

  • 以前はこなせた仕事量をこなせない
  • 集中力が持続しない
  • 物忘れなどうっかりミスが増えた
  • 暑がりになった
  • 汗をよくかくようになった
  • 朝、起き上がれないほど疲れを感じる時がある
  • 突然の月経で出血も多く、服を汚した
  • イライラして職場で怒鳴ってしまった

更年期とは閉経の前後5年の時期をさし、閉経を迎えるための時期といえます。
閉経に向かって卵巣の機能が少しずつ低下していくことで、女性ホルモンも徐々に減少していきます。
この女性ホルモンが減少していく過程に身体がついていかずに更年期障害という症状が出てくると言われています。

集中力の欠如や物忘れなどの更年期の症状は仕事にも影響を及ぼす可能性が多いにある事を職場の皆さんも理解していただくことが大切です。

身体や気持ちの変化に動揺し、これまで出来ていたことが出来ない自分へのいら立ちや不安、自信を失くしてしまう方もいらっしゃることでしょう。

こういった状況から、退職や転職を考えたりする女性も少なくないようです。

これまで築いてきたキャリアを手放すのは、本人に取っても職場にとっても大変残念なことです。
まずはご自身の体調の変化に気づき、そして周囲へ理解してもらう事で気持ちも楽になるのではないでしょうか。

職場の皆さんからも変化を感じた場合は声をかけて様子を伺いましょう。
立場的に中々自分から相談出来ない方も中にはいるかもしれません。
管理職の方であれば、上役から普段の仕事ぶりだけでなく体調を気遣う等の心配りをしていただき、サポート体制をしっかり作っておくなどして、ひとりで抱え込まないよう配慮をしていただけたらと思います。

更年期の不調には個人差があり、誰しもが同様の症状が出るとは限りません。
まずはご自身が更年期障害の症状があるかどうかをチェックし、症状がひどい場合や不安がある場合には
婦人科や更年期外来を受診するなどして、セルフケアを行うことが重要です。
「更年期だから」と言って不調を更年期のせいにして放っておくのではなく、きちんと正しい理解と治療を行うことで症状が改善されるものです。

我慢をせずに早めに受診しましょう。

 

女性ほど注目されていませんが男性の更年期も、動悸やのぼせ、肩こり、倦怠感などの症状が出てくることがあります。
男性ホルモンの低下により、自律神経が乱れ、イライラしたり、落ち込みやすくなったりと感情が乱れ気分も不安定になる事があります。

女性なら婦人科、男性なら泌尿器科で治療を受けることができます。

そのほか、治療を受けるだけでなく、生活習慣の見直しをすることで症状が改善する事もあります。ここで更年期のセルフケアをご紹介します。

 

・お風呂につかる

湯船につかって体を温めることで自立神経が整い、関節の痛みも和らぎます。
アロマなどの好きな香りを入れたり、電気を消してキャンドルに光を灯して入浴をすることもリラックス効果があります。
質の良い睡眠のための準備としてもお勧めですので、入浴タイムはゆったりと心地よい気分で一日の疲れをとりましょう。

 

・適度な運動をする

ウォーキングなど最低20~30分の有酸素運動がお薦めです。
呼吸器や循環器系に刺激を与え自律神経の安定に良い効果があります。
軽くからだを動かすことでリフレッシュ効果も期待できます。

 

・質の良い睡眠をとる

イライラや落ち込みなど心の不調を解消するには、質の良い睡眠を取ることが大切です。
特に睡眠は入眠時が重要となります。夜は部屋の電気を暗めにする、就寝の1時間前までには入浴を済ますなどして、
心地よく眠れる準備からはじめましょう。そしてスマートフォンやゲーム機の使用は1時間前までに心がけていただくと
質の良い睡眠のための入眠が作れます。

 

・バランスの良い食事を心がける

食事の中に、豆腐や味噌、納豆などの大豆製品を一日少量でも取り入れられる事をお勧めします。
大豆製品の中には、女性ホルモンの働きに似た成分「大豆イソフラボン」が含まれています。
身体のもとをつくるたんぱく質も豊富で、肉などの代わりにもなります。
また悪玉コレステロール値を下げる働きもあり、生活習慣病予防にも効果的です。
かといって、大豆製品ばかりを食べるのではなく、魚や野菜、フルーツ、豆類、乳製品などもバランス良く食事に取り入れましょう。

 

・自分の為の時間をつくる(シンデレラタイム)

最低30分でも自分のためだけの時間をつくることで、心のバランスを整える事ができます。
好きな趣味の時間にしてもいいですし、ぼーっと外を眺めるなど、あえて何もしないという時間があってもいいかもしれません。
入浴時間をその時間としてみてもいいかもしれません。楽しいと思える時間も大切にしましょう。

 

自分の身体に意識を向けて、自分に合うケアの方法を見つけてみましょう。

そして、「更年期」という時期は、体調不良や環境の変化など自分にとってはマイナス面なこととして受け止めをされることも多いのですが、
「更に年を重ねる」として新しい環境で、新しい自分に生まれ変わる時期でもあります。
自分がどのように年を重ねて変わっていくのかの変化をプラス面に捉えて楽しんでみるのも大切なことかもしれないですね。

 

産業カウンセラー

大槻 久美子

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