「ここで骨をうずめます!」
18歳でそう宣言して入所した法律事務所での歳月は青春そのものでした。
充実さを満身に感じて働いていました。
ところが、突如「カウンセラーになろう!」と思いたったのは、38歳のときです。
きっかけや理由は、いろいろあります。
でも、おそらく年齢が私を突き動かしたように思います。
「アラフォー」なんて言葉はまだ流行っていませんでしたが、40歳を強く意識していました。
40歳は「不惑」、人生の方向性が決まり、迷いがなくなる歳といいます。
半面、心身ともに大きな転換期を迎えます。
心理学者のユングは40歳前後を「中年の危機」と言いあらわしました。
それを知らなくても、「人生あと半分やな~」と考えるのはとても自然なことでした。
法律事務所での私は、「自分の考えていることぐらいは、みんなわかっている」
「これが常識で、これをするのが当たり前」「私にできることは、誰にでもできる」という考えでした。
10年近く、先輩ばかりの中でいた時には、その考えで全く不都合はありませんでした。
ところが、長女を出産して(27歳)、産休明けて出勤するまでに、幾人かの先輩が退所されていました。
30代前半で、とうとう私の先輩は一人になり、後輩ばかり10人ほどになって、
今までの考え方は現実には当てはまらなくなってきていたのです。
でも、10数年培われたものはなかなか変わるものではありません。
気づかないうちに、後輩たちとの間に深い溝を掘っていったのです。
苦しく、孤独な日々をもがきながら、強がりながら、認められるために必死だったのです。
そんなときにたまたま知ったのが、「カウンセラー」という職業でした。
インターネットで見つけた「カウンセラー養成講座」に通いはじめて、私が出会ったのは・・・。
(しんぶん赤旗 近畿版 7/8 掲載)