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●カウンセラーのつぶやき● ~成長に合わせた指導のためのマチュリティ・レベルを把握する~

 

コロナ感染症も随分と落ち着いてきました。色々な場所では、3年ぶりの行事も行われ、国外からの観光客も増えつつあり活気を取り戻してきているように思われます。ただ、コロナウイルスもなくなったわけではないので、油断は禁物です。そんな中、少し早めの桜の開花宣言とともに、職場では、新入職員の受け入れも本格的に始まりました。先月までは、最近の若者の特徴や指導の仕方などを見てきました。今回は、成長する姿を期待しながら、成長度合いに応じた指導の行い方について具体的に見ていきたいと思います。

労働者人口が減ってきている中、これからの職場において人材教育は、新人だけのためではなく、一人ひとりにとても大切なものになってきます。この「指導」次第で、受ける側の成長には大きな差が出てきます。特に新人教育では、指導方法の違いで大きな差が出てきやすくなります。なぜなら、新人は、他の階層の職員に比べて、日々の変化の度合いが大きいからです。新人は、入所してこれまでの学生生活とは違う全く経験のない社会を経験するため、社会人としては真っ白な状態です。その真っ白なノートに日々社会に出てやったことが随時、新しく追加され、書き込まれていきます。よって、意識や行動が日々、刻々と変わっていきます。その結果、入所直後の状態と1カ月後の状態は、大きく異なります。ひよこが最初に目にしたものが親だと思うという「刷り込み」という現象がありますが、この社会人としての「刷り込み」がこの時期になります。だからこそ、新入職員の指導には、留意しておきたいポイントがあります。人を育てる上で「相手に成長してほしい」という愛情をもって建設的に接することは、指導対象がどの階層の職員であれ、共通して求められることと思います。その具体的な指導方法としては、指導者は常に相手をよく観察して「今の状態」を正確に把握しておくことが必要です。特に対象が新入職員の場合は、社会をほとんど知らない状態で出てくるので「こんなことも知らないの?」ではなく「知らないことなんだ」という意識を持ってください。先輩や私たちが知っていることが当たり前の世界ではなくなっているからです。ある概念を使って考えると、具体的でかつ実践的な指導方法が見つかります。

それは、マチュリティ・レベル(成熟度合い)というものです。マチュリティとは「成熟度」という意味になります。その成熟度を測る尺度のマチュリティ・レベル(成熟度合い)は、5段階に分類しています。このマチュリティ・レベルを使って、相手の成熟度を正しく把握しながら指導を行います。

マチュリティ・レベルは、以下の5段階で表すことができます。

① 初期       :仕事をこなす能力・意欲両面に問題がある
② 管理が必要    :目標・プランがきちんと立てられない
③ 定義が必要    :指示されたことはできるが、自分で考え、行動することには問題がある
④ 定量的に管理が必要:与えられた仕事の達成方法や手段を、自分で考えることができる
⑤ 最適化している  :意欲も能力も高く、一人で仕事ができる

まずは、相手の行動や状態・状況を見て、このマチュリティ・レベルに当てはめてみてください。相手のマチュリティ・レベル(成熟度)が把握できたら、それに合わせた指導を行います。その指導方法は、次回具体的にお伝えしていきます。まずは、しっかりと目の前の新入職員の現状を把握することから始めていただければと思います。

ただし、最近の新入職員は、ネットリテラシーの高さや、価値観の多様化等、長所・短所の両面から、考え方行動に特徴があります。もしかすると、大人としてわきまえるべき基本や、社会生活を営む上で求められる行動、いわゆる先輩から見た「常識」が実践できておらず、イライラさせることがあるかもしれません。しかし、こうした「常識=当たり前」の行動が身についていない理由として、これまで学校や家庭で教えてもらえなかった、指摘してもらえなかったという事情が多分にあります。だからこそ、指導する側は「相手に成長してほしい」という愛情をもって建設的に接することが大切になります。

成長に合わせた指導を行うには、まずは、現状をしっかりと把握すること。
これが一番大切になります。

公認心理師・産業カウンセラー
    大槻 久美子

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