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●カウンセラーのつぶやき● ~感染症に負けないカラダづくり~

このたびの新型コロナウイルス感染症にり患された方とご家族、関係者の皆様にお見舞い申し上げると同時に、亡くなられた方々に心よりご冥福をお祈り申し上げます。
また、医療機関、福祉職場にて働かれている方々をはじめ、感染症拡大防止に日々ご尽力されている皆様には、尊敬の念に堪えません。ここに、敬意を表しますと共に、心から感謝いたします。

ここ最近、気温が35℃を超える猛暑が続いておりますが、皆さんいかがお過ごしでしょうか?
この猛暑に加えあっという間に、コロナ感染症の第7波が押し寄せてきました。最近のニュースでは、どこも猛暑、異常気象とコロナ感染症一色になっています。そのような中、医療機関や福祉機関で働く方々は、これまでにも増して大変な状況を強いられています。特に今回の第7波は若い人や子供への広がりも多く、本人が感染することもあり、家族が濃厚接触者となる数が増えているようです。特に子供が感染してしまうと、家族は濃厚接触者となり仕事に行けない状態になります。職場では人手不足が蔓延化してしまう状況にならざるを得なくなってしまいます。だからこそ、改めて「感染症に負けないカラダづくり」を考えてみましょう。そのためには、まずは「免疫力を養う生活習慣」が必要になります。新型コロナウイルス感染症は、感染者のくしゃみや咳、会話などによって出る飛沫(水分を含む粒子)を吸い込むことで感染していくことが分かっています。飛沫が付いた手で口や鼻、目などに触れ、体内にウイルスが入り込んで感染することもあります。また、非常に人が多く、換気が悪いところなど、微小飛沫の密度が高い場所でも感染する可能性があります。そして、新型コロナの症状としては、食欲がなくなり、息切れ(呼吸困難)が起きるといった症状も多く報告されています。これらの症状が、風邪やインフルエンザに比べて長く続く傾向にあるのが、新型コロナの特徴とされています。

〇知っておこう免疫の構造
まず私たちの免疫はどうなっているのでしょうか?
私たちの免疫は2段構えになっています。1つ目は、ウイルスなどの病原体が体内に入ってくると「自然免疫」が働きます。これは城に例えると城壁や城門を守る番兵のような役割。敵が侵入しないように異物を見つけたらすぐに駆け付け、やっつけてくれます。残念ながら、病原体が自然免疫を突破すると、今度は2つ目の「獲得免疫」が働きます。これは、以前侵入してきた病原体を覚えていて、再びその病原体に出会うと抗体(病原体を排除するための物質)を作り、病原体を追い払おうとするのです。例えば、相手に応じて、より強力な武器で戦うイメージです。出会った敵をまずは、認識・特定して戦い方を身につけていくため、攻撃態勢をととのえるまでには時間がかかってしまいます。また、個人差もあります。私たちの免疫の強さとは「自然免疫」と「獲得免疫」の両方を合わせたものを指します。病原体の強さが、これら私たちの2つの免疫の強さを上回ると感染症が起こります。

〇弱った免疫機能を高めることはできるのか?
免疫細胞を作る骨髄の造血幹細胞の分化能力は、加齢とともに低下し、その機能も落ちてしまうことが分かっています。
では、どうすればよいのでしょうか。

①運動をする
免疫系の細胞を刺激してくれる物質は、骨や筋肉からつくられることが分かってきました。適度な運動によって筋肉や
骨が刺激を受け、免疫系の機能が落ちかけていた状態をもとに戻してくれるという働きが期待できます。運動は、ウォーキングなどの有酸素運動がおすすめです。1日30分程度のウォーキングを取り入れるだけでも有効的です。日中のウォーキングは、高温のため控えた方がいいと思いますが、たまには夕焼けや夜空を見ながらのウォーキングもおすすめです。逆に、高温の中や必要以上に過度な運動をするとそれがストレスになり、かえって免疫細胞に悪い影響を与える可能性があります。注意しましょう。

②体温を高める
運動や入浴などで体温が上がる状態をつくりましょう。体温が少し上がると、免疫細胞が働きやすくなります。
風邪をひいたときに熱が出るのは、免疫細胞が頑張っているという意味に捉えることもできます。体温が上がると血流やリンパの流れがよくなり、その流れにのって全身をパトロールする免疫細胞が、侵入してきたウイルスを捕まえやすくなります。どうしても夏の入浴は、シャワーが多くなりがちですが、38℃くらいのぬるめのお風呂に入ることをおすすめします。お風呂から出たらゆっくりと足を伸ばしてストレッチしてみましょう。体全体のストレッチが毎日できなくても足のストレッチだけでもいいでしょう。今日一日頑張って支えてくれた「足首」「ふくらはぎ」「太もも」へ感謝しながらゆっくり伸ばしてみてはいかがでしょうか?

③バランスのよい食事と腸内環境への気遣い
食事を摂るにあたって、1つの食品だけで免疫機能を高めることは難しいです。バランスのよい食事をしていれば、からだに必要な糖分、アミノ酸、脂肪分、ビタミンなどは充分摂れます。暑いからと言って冷たいものや偏った食事にならないようにして、食べ過ぎない、飲みすぎないことを心がけましょう。特に仕事が忙しくて食べる時間がなかった時、空腹だからと一度にたくさん食べたり、疲れて帰って来て食後すぐに寝てしまったりという過ごし方は避けましょう。また空腹時に買い物に行くのは危険がいっぱいです。そんな時は、チョコレートなどで空腹を一時しのぎしてから買い物に行くのも一つの工夫です。食べた食品が効率よく消化吸収され、代謝をよくするといった腸内環境を整える意識も必要です。
ヨーグルトや納豆などの発酵食品を適度にとるのもおすすめです。

④過度のストレスに注意し、対策を習慣化する
過剰なストレスは、免疫細胞の機能を低下させます。ストレスがある時に風邪をひきやすくなったり、皮膚に不調が出たりするのはこのためです。しかし、ストレスを気にしすぎることで、かえって健康に悪い影響を与える可能性もあります。ストレスには、2種類のストレスがあります。自分にとって良いストレスと悪いストレスです。良いストレスは、自分の「力」に変わっていくストレスです。例えば、携帯からスマホに変わった時の状況を思い出してみてください。最初スマホがなかなか思うように使えずストレスを感じた人も多かったと思います。でも、今ではどうですか?携帯よりもサクサク便利に使えていませんか?このようなストレスは、期間的には一瞬で乗り越えられます。ただ、結論が見えなかったり、自分でどうすることもできないことはなかなか乗り越えるのが難しいです。こうなった時は、そのことを考え続けず一旦、目を反らすということも必要です。

このように、年齢と共に低下してくると言われている「免疫」ですが、適度な有酸素運動や入浴時にはシャワーだけでなくぬるめのお湯にゆっくりつかる、バランスのよい食事を規則正しく摂ることで、低下してくる免疫機能を高めることができます。
当たり前に聞こえるこれらのことを、日々習慣化し続けていくことが大切です。

公認心理師・産業カウンセラー
    大槻 久美子

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