このたびの新型コロナウィルス感染症にり患された方とご家族、関係者の皆様にお見舞い申し上げると同時に、亡くなられた方々に心よりご冥福をお祈り申し上げます。
また、医療機関、福祉職場にて働かれている方々をはじめ、感染症拡大防止に日々ご尽力されている皆様には、尊敬の念に堪えません。ここに、敬意を表しますと共に、
心から感謝いたします。
まだまだコロナ感染症からの脱出とまではいかない状況の中、新しい年度がやってきます。
コロナ禍から丸2年が過ぎ、働き方も変わりつつあるこの時期、再度自分達の職場が健康でいきいきと働き続けられる「健康いきいき職場」であるか見直してみましょう。
「健康いきいき職場」とは、少子化や多様な働き方によって変化しながら労働力を職場が求める一方で、働く人の「質」を向上させたいと考えたとき、単に医療福祉福利厚生の視点だけでなく、働く人一人ひとりが健康であること。健康な人達がいるから生産性を高められるということにつながっています。そこで、今後必要になるのは、一人ひとりの健康を守るための働き方改革と同時に職場の活性化です。特に今後の職場の活性化で必要なのは「心理的安全性」ではないでしょうか。
職場の「心理的安全性」とは・・・
①組織やチームのなかで「率直な意見」「素朴な疑問」「違和感」をいつでも、だれでも、気がねなく言ってもだいじょうぶ!と信じられる組織文化
②みんながお互いに信頼し、尊敬し合い、自分らしくいられる職場風土
③相互が今以上の仕事をめざす学習組織
このような心理的安全性を兼ね備えた職場を作っていくためには、4つの大切な条件があります。
1.話しやすさ「何を言ってもだいじょうぶ」
◇ 良いことも、悪いこともすぐに報告できる
◇ 悪い事実を共有しても罰はなく、適切にフィードバックができる
2.助け合い「困ったときはお互いさま」
◇ トラブルがあった場合に、相談ができたり支援を申し出ることができる
◇ リーダーが責任を負いすぎず「弱さをみせることができる」
3.挑戦「とりあえずやってみよう」
◇ 失敗があっても、挑戦したことについてしっかりフィードバック
◇ 「どう改善するか」という切り口があれば環境の変化に柔軟になれる
4.新奇歓迎「異能、どんとこい」
◇ 「みんないっしょでなくていい」価値観が異なったり、意見が異なったりした方が成長幅は広がる
皆さんの職場には、この4つの条件が備わっているでしょうか?
どれも「分かってはいるけど・・」といった内容のように思います。まずは、ご自身の職場においての組織文化、職場風土を少し振り返ってみてください。
4月を迎えるにあたり、少し足りない部分からでも補っていくことで「健康いきいき職場」への第一歩となるはずです。
公認心理師・産業カウンセラー
大槻 久美子