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●カウンセラーのつぶやき● ~コロナ感染症「待機期間」の対応は柔軟に~

 
このたびの新型コロナウイルス感染症にり患された方とご家族、関係者の皆様にお見舞い申し上げると同時に、亡くなられた方々に心よりご冥福をお祈り申し上げます。
また、医療機関、福祉職場にて働かれている方々をはじめ、感染症拡大防止に日々ご尽力されている皆様には、尊敬の念に堪えません。ここに、敬意を表しますと共に、心から感謝いたします。
 

さて、コロナ感染症は8月末をピークに少しづつ落ち着いてきたように見えていますが、まだまだ油断はできない状況です。高齢者や50代は、ワクチンの接種が進んできていることもあり少しづつ感染者数も減っているようですが、その反面で若い20代や10代、そして10代以下の方に広がりを見せていて連日保育所や小学校でも休園や休校になっています。そんな中、職場での対応も少しづつ違いが出てきたようです。今日はある職場で実際に起こった事例をご紹介したいと思います。

会社員として働くAさん(52歳)は、22歳になる大学生の息子Bさんと21歳の娘Cさんとの3人で暮らしていました。今回、息子のBさんがコロナウイルスに感染してしまいました。当然同じ屋根の下に一緒に暮らしているAさん、Cさんは、濃厚接触者となりPCR検査を受けましたが、結果は陰性でした。2人は「よかった」と胸をなでおろしましたが、医師からは「数日中に感染する可能性は高いので覚悟しておいてください」とも言われました。それを受けた職場は、Aさんに2週間の「自宅待機」を言い渡しました。その際、職場のルールとして「3日間の休暇」が与えられており、それ以降については「有給休暇取得」または「欠勤」として休むか「在宅勤務」を行うか?という選択がありました。そこでAさんは「在宅勤務」を選択しました。実際に休んでみると自宅療養のため息子の看病として食事の準備や様子の確認、家族に感染しないための対応など、思っていたよりも精神的な負担が大きかったのです。そこに、職場としては「休みを取らなくてもいいように」と「よかれ」と思って用意してくれた「在宅勤務」は看病や対応の精神的負担に合わせて、更なる負担となってしまいました。結局、2週間の待機を終えて職場に戻る日は、身体が重く、職場に行っても周囲の人から「疲れてるね。大丈夫」と言われ早退することになりました。そうなるとAさんは、職場の同僚に対して、2週間休んで迷惑をかけてしまっているだけでなく、復帰1日目からしっかり働けなかったことが「申し訳ない」と思い、更にストレスとなり自分を責めるしかなくなってしまいました。
Aさんは言います「自宅療養の大変さをここまで予測していなかった。在宅にしたことが失敗だった。割り切って休めばよかった」と・・・。そんな後悔ばかりになってしまいました。職場としても「よかれ」と思って用意していた「在宅勤務」ですが、そこまでAさんに対して負担になるとは思わなかったということです。このコロナ感染症の影響は、本人が感染しても大変ですが、それ以上に家族、中でも子供が感染してしまうことで本来なら元気なAさんのように「看病する人までも
体調を崩してしまう」ということが分かりました。そこで、この職場では待機期間の2週間を一旦は本人の意向で「在宅勤務」という形にしたとしても、その後の状況によっては「休み」に変更できるよう規定を見直すことになりました。職場も本人も経験のない初めてのことだらけだから起こることなのでしょう。本人が感染した時と、家族が感染した時では「感染」という意味では同じようでも、全く違うストレスが発生するようです。

皆さんの職場でも、少しこのあたりのことを見直してみてください。
その時の状況において、柔軟に見直しながら変更していくことが必要なのかもしれません。


公認心理師・産業カウンセラー
大槻 久美子

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