残念ながら相手に対して「指導」や「指摘」をしようと冷静に「叱ろう」とした際につい感情的になってしまう
ことがあります。 最初は、相手に対して「叱る」つもりでしたが、相手の反応を見ているうちにどんどんと感情
的に なってきてしまい「叱る」ことが「叱責」と変わりそのうちに「怒り」に変わってしまうためです。
そうなると相手には「指導」や「指摘」また、相手のためを思っての「叱る」という行為にとられず、 単に
「感情をぶつけられて怒られた=理不尽な怒り方をされた」となってしまうのです。
そこで、「叱る」とはどういう行為でしょうか?「叱る」とは、「相手の行動を望ましい方向に導く ための建設的
なフィードバック」であり、「責任追及」ではなく「改善提案」でなくてはなりません。ただ、「改善提案」する
時に個人的な感情を乗せて行動に移してしまうことで相手には「改善提案」と ならず「責任追及」や「理不尽な
怒られ方」となってしまうのです。また、「怒り」のメカニズムから 見ると「怒り」という感情は、2次感情と
言われています。実は、怒りという感情が出る前には1次感情と いうものが存在するのです。
例えば、上記のように最初は冷静に相手のことを考えて「叱る」つもりでしたが相手の様子を見ている うちに、
こちらが思っている反応と違う反応が見えたとき「本当にわかっているのだろうか?」という 「不安」や「心配」
からくるマイナスの感情があるかもしれません。
また、「きっとわかってくれるだろう」という「期待」からくるプラスの感情があるのかもしれません。それらの
1次感情と違う反応をされたことで2次感情が生まれてくるのです。 特に「叱る」というのは、言いにくいことを
相手のためを思って伝えます。そこには、「わかってくれる だろう」という「期待感」という感情が存在するはず
ですが、この期待感を裏切られるような反応を見た ことによって、「期待感」が怒りという感情に変わってしまい
ます。 まず、感情を行動に移さないためにも自分の中にある1次感情に気づくことが大切です。そして、その感情を
相手に伝えるのです。
また、「叱る」時には「改善提案」ですから「提案」に乗ってこないこともあるという ことを理解し、「相手を
変えよう」ではなく「相手が変わってくれたら嬉しいな」と思うことです。そうでないと、つい相手に「わかって
くれるだろう」と期待するあまり相手の反応と自分の思いにギャップを 感じれば感じるほど「怒り」は強くなって
いってしまいます。すると本当に大切な「指導」や「指摘」が できなくなってしまいます。
また、つい「イラッ」と怒りの感情が沸いてきたなと思ったら深呼吸をしながらゆっくり10秒数えてみて ください。
すると怒りの感情は、鎮静してきます。実は、怒りの感情は2秒から2.5秒しかもたないといわれて いるからです。
是非、パワーハラスメントといわれない「叱り方」ができるようになりましょう。