早いものでもう12月のカレンダーがやってきました。 外は、どんどんと冬の空に変わってきています。
そして、職場では、 一年の締めくくりや楽しいイベントが続くはずのこの時期に、
ふと気づくと疲労感や気持ちの落ち込みを感じていませんか?それはもしかすると「冬季うつ」かもしれません。
うつ病といっても様々なタイプがあります。
例えば、うつ病は気分の落ち込みが特徴的な心の病。朝起きた直後が 一番気持ちが冴えず、夕方になると
少し気持ちが軽くなる 「メランコリー型うつ病」や、気持ちの落ち込みに対する自覚が少なく、頭痛や腹痛などの
体の症状が目立つ「仮面うつ病」などがあります。その中でも最も季節性と深く関わっているものが「冬季うつ病」です。
冬季うつ病の特徴は、10月~11月頃に「うつ的な気分」がはじまり、 翌年2月~3月頃に治っていくとされ、
この時期ずどんと落ち込みが強くなる、 冬季に限定されているところです。
日照時間が短くなる秋から冬にかけて 「うつ傾向」が強まり、春になると自然とうつ状態から回復して元気になる
と いう季節性があります。また、20~30代の女性に多い症状でもあるのです。
冬季うつ病の症状は、一般的なうつ病の症状と大きく変わることは ありませんが一部冬季性うつ病特有の症状もあります
① 気分の落ち込み
② 今まで楽しんできたことを楽しめない
③ ぐったりとして疲れやすい
④活動量の低下
⑤ 眠気が強く、睡眠時間が長くなる
⑥ 食欲の亢進、特に甘いものが欲しくなる
⑦ 一度発症すると毎年繰りかえす
① ~④といったような一般的なうつ病と同じような症状もありますが、⑤~⑦のような一般的なうつ病とは
全く逆の症状があるのも 特徴の一つになります。
冬季うつ病は、11月頃から意識し始めそのうち2月頃になると自然に治って いくため「冬になると毎年こんなもんだ」
と思っている人も多いですが、日常生活に支障を来たすようなことがある場合は、一般的なうつ病と同様に病院に
行っていただくことをお勧めします。
また、「もしかしたら自分もかも?」と心配になる方のために日常から できる対処方法をお伝えしておきます。
冬季うつ病は、日照時間が原因していることは、わかっています。
日照量に限らず、一日中日の差し込まない部屋で仕事をするなどの 生活環境でも、同様の症状が生じるリスクがあります。
自分の生活環境がこれに当てはまると考えられる人は、 心の健康のためにも、外で過ごす時間を増やすよう
心がけましょう。
また、朝起きた時にはしっかりと朝日を浴びるようにしてみること。また、一定のリズム運動をすることも
良いとされています。
例えば、ガムをかむや自転車に乗る、歩くなど日常の動きからでも 十分予防はできるとされています。
冬季うつ病は、季節が春に変わる頃には、 症状もなくなり治るとされていますが、軽く考えることは危険です。
なぜなら、一度発症すると毎年繰り返される特徴があるためまずは、冬季うつ病にならないように日常からの
予防が大切です。
産業カウンセラー 大槻 久美子