実は「今日からカウンセラーです」と宣言すれば
誰でもできるのがカウンセラーです。
資格としては、メジャーなものに「臨床心理士」「産業カウンセラー」などがありますが、
国家資格ではなく学会や協会の「認定」になります。
「カウンセラー養成講座」とは、その団体が認定するカウンセラーの養成ということで、
種類も「スピリチュアル(霊的)」なものから「コンサルタント(指導・助言)」まで幅が広いです。
私は、23年間、働く人の権利を守って奔走する弁護士の事務局で働いてきましたが、
法律では解決しきれない人の悩みにいくつも出会いました。
それが私をカウンセラーの道へと歩ませた大きな理由です。
一生、労働者とその家族の悩みにつき合おう、
社会の基盤を支える人たちの健康と、
一人ひとりのその人らしい生き方を模索するお手伝いをしよう。
「産業カウンセラー」と「家族相談士」という資格は、私のそんな思いにぴったりと合いました。
しかしカウンセラーは、資格がなくとも出来るけど、
資格があるだけでは出来ないと言われています。
人の心に寄り添うには、その人と信頼関係をしっかり築くことが大切で、
そのために、相手がどんな価値観をもっていようとも、まずはそのままを受け入れて、
その人が見ている世界を一緒に味わってみることからはじまります。
それがどうしてもできないときというのは、
自分に強い思い込みや捉(とら)われがある場合が多いものです。
「~すべきだ」「~でなければいけない」…。
そんな呪縛(じゅばく)から解放されるために、自分自身の心のメンテナンスをしながら、
豊かな人間関係を結んでいく、それが「カウンセラー」の仕事だと思っています。(了)
(しんぶん赤旗 近畿版 7/29掲載)