少しずつ暖かい日差しが差し込むようになりました。
もう、春はそこまでといったようです。
とはいえ、今年はインフルエンザに もう少し注意が必要かもしれませんね。
さて、3月に入りました。学校では卒業があり、職場では配置転換が行われる 期末となり人によっては、
「嬉しいこと」、また、別の人にとっては 「辛いこと」というように「環境変化」が重なる時期になってきました。
そこで、毎年厚生労働省は、この3月を「自殺対策強化月間」としています。
ただ、残念なことですが、この「自殺対策強化月間」について厚生労働省が 平成28年に行った意識調査では、
「知らなかった」と答える人が56.2% と半数以上の人は知りませんでした。
確かにここ数年日本全国での自殺者の数は、平成24年から連続4年間3万人 を下回っていますが、
他の主要国から見るとロシアに次いで第2位となり、 まだまだ高い水準となっています。
また、ここ数年は、自殺者の年齢層が若年化してきており、内閣府が実施した 意識調査では、
20代~30代の人に「これまで本気で自殺を考えたことが ある」と回答している人が多く、
5人に1人といった割合であることも明らか になりました。
このようなことも含め職場や地域で悩んでいる人や悩んでいて何かサインを 発している人に
出来るだけ早く気づき、そして専門機関につなげるということ が必要です。
そこでは、以前にもお話した「ゲートキーパー」という考え方を 広げていく必要があります。
再度3月になった機会に見直してみたいと思います。
ゲートキーパーとは・・・
何か資格があるわけではありません。自分達の回りにいる人達に目を向け、
周りにいる人の悩みに気がつき、話に耳を傾け、必要な支援先につなぎ、 見守る人を、
「ゲートキーパー」と呼んでいます。行動した瞬間から 誰もがゲートキーパーになれるのです。
ゲートキーパーの4つのポイント
①変化に気づく・・・口数が減ったな、疲れているな、眠れていないな、など『その人のいつもと違う状態』
を見つけ、「最近眠れてる?」や 「疲れとれてる?」といったような声かけ。
②話を聴く・・・相手の話に耳を傾け聴きます。そして、話してくれた ことに『ねぎらいの言葉』をかけましょう。
③支援先につなげる・・・自分だけではどうしようもないこともあります。 そんな時には、相談窓口につなげていきましょう。
④暖かく見守る・・・支援先につなげて終わりではなく、 その後も必要があれば相談に乗ってあげてください。
主な相談窓口(厚生労働省のHPにつながります)
電話相談・・・ http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000190135.html
メール・SNSによる相談・・・ http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000188968.html
広く多くの人に「ゲートキーパー」という考え方を知ってもらうことができ れば、
私達の身の回りで悩んでいる人を1人でも減らしていくことができる のではないでしょうか。
もしかしたら、第三者によるゲートキーパーがあったら救えていた命もある のかもしれません。
なによりも、一人ひとりがゲートキーパーになることで 1人で抱え込まなくていいような
職場、地域、社会になればと願っています。
産業カウンセラー 大槻 久美子